讃岐の春はお遍路さんの鈴の音も、どこか楽しげに聞こえてきます。桜の後は、ヒバリがさえずり、レンゲやタンポポが咲くあぜ道をたどる田園散歩。さわやかな5月には茶畑に茶摘み娘の姿も見られ、おいしい新茶とお菓子でのんびり、香川の春を満喫するのもおすすめです。そんなのどかな春の情景にぴったりなのが、今回ご紹介する三豊市の三野、高瀬エリア。おいしいものもたくさん登場しますので、ゆっくりのんびりとおつきあいください。
仏の山にお参りしましょう「三野エリア」
香川県の西部にある県内で3番目に人口の多い三豊市。2006年1月1日に7つの町が合併して誕生しました。その中から、今回は三豊市の東端に位置する高瀬と三野エリアを散策します。
三野エリアは、なんといっても四国霊場第71番札所「弥谷寺」があることで有名。弘法大師空海が7歳の時に修行をした山といわれ、唐から帰国した後に再び訪れて札所に定めたと伝えられています。その昔は霊が帰る「仏の山」として信仰を集めていたので、石段の脇には霊をなぐさめるお地蔵様や石積みが並んでいます。その石段は急こう配で、なかなかの難所とされていましたが、今では本坊近くまで車道が整備され、希望者は有料で利用できるようになっています。しかし、石段を一つ一つ踏みしめて歩くところに、弥谷参りの良さがあり、岩肌に彫られた仏様の磨崖仏やお大師さま修行の洞穴が、さらにありがたく感じます。参拝の後でふもとの茶店に立ち寄っていただく、あめ湯や草もちも絶品です。また、海に向かえば、子どもの守り神「津島神社」があり、8月4日5日には、華やかな夏季大祭が行われます。
朝日のあたる山でお花見しましょう「高瀬エリア」
一方、高瀬エリアは、なんと言っても香川県一のお茶どころとして知られています。二ノ宮地区には緑のお茶畑が広がり、今年も4月29日には「高瀬二ノ宮ふる里まつり(問い合わせ:高瀬二ノ宮ふる里まつり実行委員会 電話090-3186-5256)」を開催予定です。
また、春の高瀬のお花見スポットは「朝日山森林公園」。かつての高瀬町民が手作りで造ってきたという公園で、約2000本の桜の花が咲き誇り、夜はぼんぼりに明かりがともり、夜桜も楽しめます。昨年(2008年)は満開が4月6日、この日に「桜まつり」も行われました。ここは、6月から出荷が始まるブドウの産地としても知られ、「高瀬のピオーネ」といえばおいしいブドウのブランドになっています。また、「麻の桃」も有名で、そうしたフルーツや新鮮野菜を扱う産直も多く、なんと高瀬エリアには7つもの産直があります。
特産品あふれる道の駅と温泉「ふれあいパークみの」
弥谷寺参りのお遍路さんも必ずといっていいほど立ち寄るのが道の駅「ふれあいパークみの」。ここには地元の特産品がそろっていて、例えば、この後ご紹介する田井民芸さんの張り子の虎や馬渕履物店さんの下駄(ゲタ)、三野町の方が開発した掃除機に入れる「ダニ駆除剤」、地元の“のびやかレディース”さんのハーブを使った手芸品、高瀬町の竹酢液や炭の置物、すぐ近くに工場がある讃岐缶詰(本社は三豊市財田町)の発芽玄米入り「あま酒」や「讃岐のなめ茸珍味」、しょうゆ豆の缶詰も置いてあります。また、カフェ(第1・3・4水曜定休)は、うどん定食や牛丼など、おいしいランチでも有名で、お昼時は平日でもにぎわっています。
すぐ隣には天然いやだに温泉「大師の湯」があり、温泉や温水プールが楽しめます。ここの物産館も地元のものが並び、“加工グループみの”が作った「おちらし飴」や発芽玄米入り「ふる里せんべい たべてみ~の」もあります。ここは、宿泊施設やお座敷があり、お食事も楽しめます。お遍路さんにも人気のゆったり温泉施設。周辺は公園としても整備され、子どもさんに人気の乗り物「ラブリーモノライダー」やコスモランドもあり、春の一日ファミリーで遊ぶのにもおすすめです。
国内素材の手作りの下駄(ゲタ)「馬渕履物店」
ふれあいパークみのから、南にある三野支所に向かう旧道沿いに「馬渕履物店」があります。店内に入れば、かわいい鼻緒の下駄がずらり。まずは下駄の説明をお願いしたところ、なんと原木の桐の木を探して山から切ってきて、1年くらい置いて乾燥させ、それから下駄に作り上げるそうです。その下駄台をバーナーで焼き色をつけ、特殊なロウで磨き、好みの鼻緒をつければ、なつかしい風合いの桐下駄が出来上がります。足の小さい方、甲高な方など、希望のサイズにも合わせて、すげることができるそうです。昔は、カランコロンと音がするのが下駄の特徴でしたが、今では音が気になる人も多いので、ゴム底のものが多いのだとか。最近は、何もかも中国製に押されていますが、国内の素材でていねいに作られた下駄は、履き心地や持ちが全然違います。これからの季節、素足ではくさわやかさは、ぜひ味わっていただきたいもの。その製品は道の駅「ふれあいパークみの」や「たからだの里」、「四国村」にも置いてあります。
厳選素材で讃岐ラーメン「はまんど」
馬渕履き物店の前の道をさらに進むと、すぐ近くに「讃岐ラーメン はまんど」があります。2007年11月に、前の店舗のすぐ隣に新装オープン。「盛」の字が鮮やかなのれんがかかっていました。店主の森敏彰さんに伺うと「お店のスタートが豊中町の“ラーメン盛”という店であったので、初心を忘れないように」と、この名前を残しているのだそうです。その“盛”の時代、4年をかけて試行錯誤をくりかえし、やっと“讃岐ラーメン”と呼ぶにふさわしいオリジナルのラーメンにたどり着いたのでした。ですから、地元の食材にこだわり、“中華そば”や“讃岐そば”は、燧灘のイリコや瀬戸の小魚をスープに使い、しょう油も地元醸造にこだわっています。“しょうゆ”というメニューには、日本三大魚しょう油の一つ香川の「いかなご醤油」が使われています。また“ニューはまんど”は、うどん用小麦で製麺した、まさに讃岐ラーメン。“しお”にはミネラルたっぷりの天日干しの塩が使われ、卵も地元の特別おいしいものをよりすぐっているとか。あつあつ、またはひやあつという“つけそば”もあって、ここにも讃岐ならではのテイストを感じます。お米も自家栽培で、“ヒノヒカリ”という香川県奨励米で讃岐のごはんも味わうことができます。お土産用のラーメンもあります。
日本唯一ファーストシューズを作る工場「丸栄」
はまんどから、さらに三野支所方面に進むと、JRみの駅の近くに、「丸栄株式会社」があります。社長の亀井良二さんにお話を聞いてびっくり。さまざまなモノが中国で作られるようになって、今では赤ちゃんが最初に履くファーストシューズが作れる国内唯一の企業なのだそうです。もちろん日本では、薬品の使用など素肌にふれる靴下製造の法律に準じて、きびしい決まりがありますが、中国となるとその規制はかけられていないとか。最もこだわりたい大切な赤ちゃん用品に、こんな現状があったのかと驚かされました。ここでは、OEMつまり他企業からの依頼で製造し、有名ブランドのさまざまなベビーシューズもここで作られてきました。某ブランドの高額革製のものを製造したこともあったとか。「大きい靴を履かせるよりもちょうど、またはきつめの方がまだ足には良く、靴底はただやわらかいというより、少し固く重みがあり、反対につま先はゆとりがあるものが歩きやすいですよ」と教えてもらいました。工場を見学させてもらうと、職人さんたちが細かな作業をていねいに行っていました。小さな靴は高度な技術を要するので、国内産は中国産より高めにはなりますが、大事なファーストシューズは国内産を履かせてあげたいと感想を持ちました。また、丸栄さんでは「ジャイブジュニア」という足の不自由な方が装具をつけたまま履ける特許出願中の靴も製造しています。
ストラップから木馬がわりまで「田井民芸」
さらに、みの駅ちかくから三野支所方面に向かえば、11月の大坊市でも有名な「高永山本山本門寺」があります。歴史を感じる境内を見学して、さらに三野支所前を通り、県道23号線に出る手前、道の左側、住宅街の中(路地を入る)に「田井民芸」があります。ここでは、張り子の虎が作られています。百年余の歴史がある“三野のはりこ虎”、先代にあたるお父さんの清巳さんは香川県の伝統工芸士の第一号として認定され、現在は2代目(工芸士として)にあたる田井艶子さんが作っています。艶子さんも、お嫁にきて覚えたという40年近くの職歴を経て、平成18年に香川県伝統工芸士の認定を受けました。この地方では、その昔から、男の子が生まれると端午の節句と夏の午節句には、必ず張り子の虎を飾っていました。今では、午節句の風習がだんだんと廃れてきて、端午の節句に飾る家が多いとか。張り子の虎は、軽くて丈夫で、大きいものは子どもさんが乗って遊べるので人気があります。また、ゆらゆら揺れる首がユーモラスで、艶子さんが作る虎はなんとなく顔が愛らしくも見えます。その中で、一つだけ違う顔の虎があったので伺うと、なんと画家としても有名な片岡鶴太郎さんが訪れて、その場でささっと筆を動かして書き上げたものだそうです。もちろん、これは非売品で大切に飾って置くとのことでした。
今では手に入りにくい古い和紙を貼って、塗っては乾かしを繰り返し、平均で20日ほどかけて製作するという“三野のはりこ虎”。首を振るものは、12cmから1m20cmまでの大きさのものがあり、最近はストラップの飾りになる小さなタイプも作り始めたそうです。道の駅「ふれあいパークみの」、県内人形店、栗林公園商工奨励館などに置いてあります。
高瀬のスイーツをどうぞ「清水菓子舗」
今度は、県道23号線に出て高瀬方面に向かいます。県道から高瀬駅に向かう道に入ると、駅から150mほど東の交差点に「清水菓子舗」があります。5年前に大きくリニューアルし、毎年少しずつリニューアルしているという店舗は、ちょっとクラッシックでステキな建物。店内には、もっとすてきなお菓子がずらっと並んでいます。
現在3代目の洋之さんが後を継ぎ、和菓子から洋菓子、焼き菓子と、真心込めて作り上げています。2代目の加寿男さんの時代に、すでに和洋菓子の両方を手がけ、洋之さんは神戸でお菓子の勉強をし、2度のヨーロッパ旅行で味覚を磨いたとか。代々、さまざまに工夫したスイーツが人々の心をつかんでいます。大人気の“しあわせチーズ”や“アップルパイ”などの洋菓子、50年の歴史を誇る地元の山をテーマにした全国菓子博名誉金賞受賞の“爺神(とかみ)”、季節感あふれる美しい和菓子などが並んでいます。なかでも、茶どころ高瀬ならではの高瀬茶を使った“茶らりん”、讃岐特産の和三盆を使った“和三盆クッキー”、その両方が合わさった“和三盆高瀬クッキー”などの、焼き菓子は日持ちもするので、お土産にもおすすめです。
季節感あふれる高瀬のパン「石井製パン」
高瀬駅前を通り過ぎ西に向かえば、すぐに道の左手に「石井製パン」のショップがあります。ここにも高瀬茶ゆかりのお菓子があると聞いて店内に入れば、できたてパンのおいしいにおいであふれていました。それもそのはず、古子川をはさんで、すぐ近くには工場があります。ここは昭和42年に会社組織にしましたが、それ以前からパンを作っていた地元では有名なパン屋さん。学校給食や高校での販売、病院などにも納入しています。ここにはなんと高瀬茶を使ったパン、その名も“茶ぱん”があります。銘茶高瀬の煎茶粉をパンに使ってみたというぜいたくな品で、金時豆やゴマも入っています。ここは、季節感を大切にしたパンでも有名、春には地元の食材などを使って、イチゴを使ったピンクのクリームがかわいい“いちご畑”やユズジャムと白あんが入った“ゆずパン”、ホウレンソウとニンジンが入ったパンも並びます。パン屋さんですが、店頭には高瀬ゆかりの和菓子もありました。その名も“たかせ”と“茶つみおどり”。ふる里が香るおいしい2品は会社創業以来のこだわりの味です。ちなみに、パンは「良心市たかせ」「たかせ天然温泉」「高瀬ふれあい産直市」にも置いてあります。
医療現場でも大活躍のボタン「綾ボタン」
高瀬駅前の道沿いにある香川西高校、この東に位置するのが「綾ボタン工業株式会社」。ここは、ユリア(尿素)樹脂ボタンの製造では、日本で草分け的存在の企業。創業は昭和7年、大阪市内で前場商店として開業、昭和13年にユリア樹脂ボタンの製造を手がけ、昭和21年に四国工場を建設したという歴史があります。その後、平成元年にはべっ甲ボタンの製造も始めました。ずいぶんと早くから樹脂ボタンの製造を始めたので、成型のための金型や機械などは、すべて自分たちの手で開発し、金型は千種以上もあるそうです。「それが綾ボタンの誇りであり、財産です」と会長の綾大丈夫さんが話してくれました。
この樹脂製のボタンは乳白色の半透明で、着色も簡単。成型したときも色が美しく、値段も安く、他のプラスチックボタンに比べて抜群の強度を持っています。特に、綾ボタンさんのものは丈夫なので、医療用の白衣によく使われています。医療用は清潔が第一、何度も洗濯に出します。そのクリーニングに耐えられず、割れたり欠けたりしたのでは、医療現場では大変なことになります。その信頼性が高いのが綾ボタンの製品。なんと自衛隊のボタンも、ほとんどがここのものだとか。小さなボタンに、ロゴマークが入っている物もありましたが、これは特殊カメラで方向を確認しながら印字するのだそうです。 またここでは碁石も製造していて、国内でも大きなシェアを占める隠れた生産地になっています。
喜びのおいり「山下おいり本舗」
続いては、綾ボタンさんの東の道を駅とは反対方向に進み、国道11号の交差点を左折し、道の左側にすぐある「山下おいり本舗」におじゃまします(鳥坂ICからなら道の右側)。ここは、西讃岐の嫁入りの風習「おいり」のお菓子を作っています。「おいり」のはじまりは、およそ420年も前のこと。天正15年(1587年)、讃岐国丸亀城主に初代生駒親正公が任命されてきました。その姫君のおこし入れが決まったとき、城下の農民がお祝いにと煎った五色のあられを献上しました。すると、殿様は大変気に入り、ご褒美を賜ったそうです。それから、婚礼のおめでたいお煎りものとして広く知られるようになりました。今も西讃では、お嫁さんのお土産としてご近所に配ったり、披露宴のお膳につけられたりしています。また、喜びの引き出物として出産や初節句(ひな祭り)、お誕生日、新築祝い、長寿祝いなど、さまざまな場面で使われるほか、美しく食べやすいお菓子として、お土産としても人気があります。
この「おいり」は、蒸したもち米にお砂糖を混ぜて、それをていねいに延ばして作ります。麺棒のようなものでうどんを延ばすように作っていくのですが、山下光信さんが考案したのは、2本の棒で延ばす方法。これによって、均等に薄い生地ができるのだそうです。といっても、これは熟練を要する技。山下さんは、どんどん生地を広げて、最後はそれを持って屋上へ上がっていきました。この生地はお日様の光でじっくり干し、さらに四角い粒に切って、再び干して、五日目にようやく火にかけて煎るのだそうです。約1週間をかけて、丸い丸い美しい「おいり」が出来上がります。色よく、味良く、口溶けが良い「おいり」は、今も多くの人に愛されています。
銘茶もある「高瀬ふれあい産直市」
次は、国道11号をさらに東に進むと、すぐに道の右側にある「高瀬ふれあい産直市」に立ち寄ります。ここは、地元の新鮮な野菜や果物が並ぶ産直として知られ、春の店頭には緑のブロッコリーや真っ赤なトマト、シャキシャキのキュウリや豆類も並びます。また、6月中旬頃のシーズンからは、人気のモモや種なしで粒が大きいブドウ(ニューピオーネ)もたくさん並びます。ここには、また高瀬茶がずらっと並び、近所の方々がお茶を買う産直としても知られています。高瀬のお茶を使ったお菓子などもいろいろと置いてあり、お茶の風味を生かした手作りの「お茶せんべい」は、さくさくした歯ざわりも心地よく、何枚でも食べてしまいます。ときにはお茶を使ったシフォンケーキが出ることもあるそうです。また「大師の湯」でもご紹介した地元の加工グループが作ったお菓子や石井製パンさんのパンもあり、火曜日と木曜日には焼きたてのブドウパンが店頭に出るそうです。5月には新茶コーナーもお目見えする産直は、お土産選びにもぴったり。フルーツなどは宅配の申し込みもできるので、観光客の方にもおすすめです。
まぼろしの銘茶「高瀬茶業組合」
今度は、もう一度JR高瀬駅前から続く道と国道11号との交差点に帰り、左折します。どんどん進めば二ノ宮小学校の前で県道24号線にぶつかります。そこを右折し、すぐにある二ノ宮駐在所の角を左折すると、右手の丘の上に「高瀬茶業組合」があります。この地は、古くは丸亀藩主に献納した茶園があったといわれ、その畑が今も残っているそうです。全国から見れば生産量が大変に少ないので、名前があまり知られていませんが、関西品評会で一等一席の農林大臣賞を受賞し、昭和天皇皇后両陛下ご来県の折に新茶を献上したこともあり、銘茶と呼ぶにふさわしい味を誇っています。また、栽培面積が少なく、茶業組合指導で栽培をしていますので、安全管理が行き届き、安心して飲めるお茶と言えます。例えば、有機質肥料をたっぷりと含んだオリジナル肥料で、生産者がお茶を育て、製茶工場ではクリーンなオートメーションシステムで製品が出来上がっています。間違いなく地元の茶葉100%といえるのも高瀬茶の誇りです。生産量の少なさから、まぼろしの銘茶と呼ばれる高瀬茶を、ぜひご賞味ください。
いくつでも食べられる「鳥坂まんじゅう」
最後に訪ねるのは国道11号沿いの三豊市と善通寺市の境付近、鳥坂峠にある「鳥坂まんじゅう」。その昔は、この坂は急峻で鳥のとさかのようだったので、この名が付いたとも言われています。この店ができたのは、今から160年ほど前と伝えられ、現在のご主人で4代目になるそうです。お店の奥では、おまんじゅうを蒸す蒸気が上がっていて、蒸したてホカホカのまんじゅうに出合えることもしばしば。皮には自家製の甘酒が入っていて、あんはこしあん、いわゆる甘酒まんじゅうです。昔ながらの製法で変わらぬ味が、たまりません。
小ぶりなまんじゅうは、いくつでもパクパクと口に運べます。江戸の昔は、伊予のお殿様が参勤交代の折、ここの茶店でくつろいだと伝えられ、これまで多くの旅人や里人に愛されてきた小さなおまんじゅうです。少し前までは、歩きの遍路道が裏の山を通っていましたが、今では通りにくくなっているようで、たいていのお遍路さんが店の前を通るそうです。弥谷寺からはじまり、善通寺の札所などを巡る「七ヶ所まいり」にも立ち寄りたい「鳥坂まんじゅう」。坂道がゆるやかになった今でも、一服におすすめです。
のんびりお過ごしください
春の三野・高瀬は、ご紹介したほかにも、春分の日の弥谷市や4月中旬の新茶摘み、4月29日のよしづ花まつりなどの催し物もあり、のんびりとした春景色が広がっています。ぜひこの地で、のんびり、ゆっくりお過ごしください。高松方面からは鳥坂IC、愛媛県方面からはさぬき豊中ICを利用します。JRの最寄り駅は、みの駅、高瀬駅です。