LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

冬もあったかい香川県へ

寒い冬がやってきました。ときには木枯らしが吹きすぎていきます。山も野も里も色を失う季節ですが、あったか~い讃岐では、花の風景もあちこちで見ることができます。そこで今回は、四季を通じて花の風景が広がるさぬき市大川・寒川エリアの冬の旅にご案内いたします。

冬も花咲くエリアへ

香川県の東部にある「さぬき市」は、平成14年(2002年)春に、5町が合併してスタートしました。そのさぬき市から、今回は旧大川町・旧寒川町をピックアップ。山から田園地帯へ、いろいろとおいしいものがたくさんとれるエリアを散策します。ここには冬でも色とりどりの花の風景があります。

10月から1月のサザンカ。1月から3月はヤブツバキ。2月から3月はスイセンや梅。そんな花の風景や香りを楽しみながら歩いてみたい一帯です。
寒川・大川エリア(みろく自然公園まで)交通アクセス:JR 讃岐津田駅下車タクシー10分。 高松自動車道、津田東ICより国道11号線を高松方面へ2.5km、左折し県道2号線を川島方面へ3.5km。

観光の問い合わせ: さぬき市商工観光課 電話0878-94-1114

つはぎの半島と石穴

そんな花の風景を楽しむためにおすすめは「みろく自然公園」。その昔、弥勒仏の石仏が出たことからその名前が着いた弥勒(みろく)池の周辺に散策路があり、つばきの半島・梅と水仙の谷・さざんか園・もくれんの谷・しだれ桜園など名付けられた花の見どころスポットがあります。その池の東端にあるのは、国登録有形文化財「弥勒石穴」。江戸時代、庄屋の軒原庄蔵さんは、水漏れのひどい田んぼに水を引く導水路をみかね、安政2年(1855年)にようやく許可をとり、東西双方から昼夜にわたり工事を続けました。そして3年後、百五間(189㍍)の手彫りの石穴が見事貫通しました。これにより、多くの田畑を日照りの被害から守ることができたのです。

香川県最古の民家穴

広大な「みろく公園」には、ログハウスもある“キャンプエリア”、サッカー場などがある“スポーツエリア”、フィールドアスレチックで遊べる“ちびっこランド”、そして歴史民俗資料館やゆ~とぴあみろく温泉がある“憩いのエリア”があります。

観光の問い合わせ: さぬき市商工観光課 電話0878-94-1114

そして、“憩いのエリア”の高台にあるのが「歴史民俗資料館」。収蔵資料総数7,544点、エリアの歴史を学ぶには最適の場所。その下に、国指定重要文化財「旧恵利家住宅」があります。土壁にかやぶき屋根の美しい民家は、17世紀末ころに建てられた香川県最古の民家。公園より南に位置する大川町新名の地に建っていたものを公園内に移築保存しています。

歴史民俗資料館 電話0879-43-6401

ゆっくりゆったり温泉タイム

同じく“憩いのエリア”にある人気のお温泉は「ゆ~とぴあみろく温泉」。泉質は単純弱放射能冷鉱泉(弱アルカリ性低張性冷鉱泉)で慢性消化器病、動脈硬化症、高血圧、慢性皮膚病、慢性婦人病、胆石症などに効能があります。営業は10時~21時まで、談話室やレストランも利用して、ゆったりとくつろぎましょう。売店には地元の土産物もあり、さぬき市社会福祉協議会のさざんか園のクッキーやケーキなどの手作りお菓子、カバン、竹炭、古式畳などが置いてありました。町内には、ほかにも後でご紹介するカメリア温泉、そして雨滝山の西には、「春日うどん」でも有名な春日温泉(電話0879-43-6565)があります。

ゆ~とぴあみろく温泉 電話 0879-43-5200

花咲く道の駅

みろく自然公園のすぐ隣、県道10号バイパス(さぬき東街道)沿いにあるのが、道の駅「みろく」。ここは、その昔、讃岐と阿波を結ぶ四国最古の官道「南海道」松本駅があった場所。
サザンカ、梅、モクレン、しだれ桜などの花々が季節ごとに咲き、ランチにおすすめの海鮮庵「ありえす」があります。「ありえす」からも花の咲く庭が見え、これからの季節は、“こんぴら弁慶”というツバキの花が見られるとか。 メニューは、地元の野菜や東かがわ市の「ひけた鰤(ブリ)」をはじめとした海産物を使った讃岐の味、“みろく御膳”、“刺身御膳”、“天ぷら御膳”などが味わえます。1階にも、丼ものやカレー、パスタなどの軽食コーナーがあり、土産物を置いたコーナーもあります。ここでは、なんと地元の製粉所が作っているワンちゃん用のうどんがよく出ているそうです。

道の駅「みろく」 電話0879-43-1066/水曜日定休
2階 平日:11時~14時 土日:11時~14時・17時~21時/1階 8時~17時

にぎやか産直市

道の駅「みろく」の前にあるのが「みろくふれあい市場」。県内の産直の中でも、早い時期にオープンし、品質にも品ぞろえにも定評があります。産直の店内は、新鮮な冬野菜や花々、地元の方の手作り品も並び、週末ともなれば県外からのお客様も混じって大変なにぎわいを見せています。12月には、地元の品質のよい自然薯(じねんじょ)やムカゴ、フルーティなトマトなどが出ることでも有名。特に日曜日は、商工会の出店も出てお得な物がめじろ押し。地元の「みろく米」を販売する店舗もあり、自然乾燥米として人気がある「はぜかけ風米」も置かれていました。敷地内の食堂では、うどんやラーメン、ジャージ牛のソフトクリームも味わえます。

問い合わせ 電話0879-43-6830 水曜定休

パワフル自然薯

続いては、産直市でも人気商品「自然薯」を栽培し、季節には「南川じねんじょまつり」が開催される南川地区を訪ねます。「みろくふれあい市場」から県道10号バイパス(高松・長尾・大内線)を西へ向かうと、すぐに道の左手に「南川自然薯研究会」の看板が見えます。(祭りの開催期間中は、のぼりの旗がはためいているので、さらによく分かります。)
その案内の手前の信号を南の山手に曲がり、標識に従ってどんどん上がっていきますと、山里の集落に小さな小学校の校舎が残されています。ここが「南川自然の家」。夏には合宿やキャンプに訪れる子どもたちでにぎわう施設ですが、12月には「南川じねんじょまつり」の会場となります。

この南川地区は、昔から質のよい山芋(自然薯)が収穫できる土地として知られ、大みそかには山芋を入れたそばを食べる風習もあったそうです。そこで、昭和63年、転作作物として、自然薯を栽培してみようということになりました。
そして、平成元年には「南川自然薯研究会」を結成。県外にも見学に出掛け、研究に研究を重ねたおかげで、じまんの自然薯が採れるようになりました。ところが、山里のみなさんは販売方法が分かりません。当初は、高松空港や栗林公園、与島へと売りに出かけたそうです。そうした努力を続けた結果、南川の自然薯の名前もだんだんと知られるようになりました。そして、平成12年から、地元で「南川じねんじょまつり」を開催することにしました。
自然薯のシーズン(例年11月末ころ~12月下旬ころ)になると、「南川自然の家」には、堀りたての見事な自然薯がずらっと並びます。特に12月の第1日曜日は、試食会やバサーを兼ねた「南川じねんじょまつり」が開催されます。そこで、並べた自然薯は飛ぶように売れ、最近では品物が無くなって困るようにさえなりました。酢の物、揚げ物、鍋物にしても、とびきりのねばりで、とびきりおいしい南川の自然薯。シーズンには、お早めにお出かけください。

南川自然の家 電話0879-43-3064

山あいの温泉

「南川自然の家」からさらに西に走ると、門入ブリッジで有名な「カメリア温泉」があります。“カメリア”とは、旧寒川町の町花、町木であったヤブツバキのこと。この花のように地元の人々に愛される温泉は、ラドンを豊富に含んだ療養泉で、神経痛・疲労回復・アトピーにも効果があるそうです。浴室にはミストサウナもあり、レストランでは讃岐和牛のカメリアステーキを味わうことができます。

カメリア温泉 電話 0879-43-2566

カメリア温泉と農村公園をつないでいるのが門入ブリッジ。 全長72mの色鮮やかな橋で散策にもおすすめ。渡ったところには、椿の城があり、秘密のアジトのようで、子どもたちの冒険心をそそります。ブリッジの下をくぐって県道264号線を再び県道10号バイパスに向かうと、途中にある門入ダム。門入のオブジェもあり、美しいダム湖沿岸の風景が広がっています。

四国大川のかあさんの味

県道10号線に出て、さらに西に向かえば道の右側にあるのが「かあさん茶屋」。民家を思わせる建物の中には、売店コーナー、産直コーナー、地産地消のレストランがあります。

ここは、1999年、JA香川県四国大川支部の女性部が母体となり、郷土料理研究会のメンバーがオープンさせました。現在は、JA香川県の事業所となり、味噌・豆腐・かりんとうなどを出品している農産加工“てづくり店”、おすし類・お総菜などを出している“稲穂会”、桑茶や桑粉末の“桑加工研究グループ”と四国大川女性部が携わっています。また、「さぬきうまいもんネットワーク」のアンテナショップでもあり、安全・安心な商品にこだわっているお店です。
そこでおすすめが、“米粉のシフォンケーキ(はちみつ・桑葉粉末入)”。あまりのおいしさにあっという間になくなります。このケーキに入っている桑の葉は、初夏に南川の桑園でメンバーが手つみしたもので、健康にもよいと遠くから買いに来るファンも多いとか。また、“おから入りドーナツ”も、おからが入って健康的な上に、もちもちした食感がたまらないというヒット商品。もちろん、レストランの方も“かあさん定食”“豆腐ハンバーグ定食”“茶屋うどん”などのメニューやモーニングセットもあり、地元でも大人気なのです。ちなみにここの大豆製品は、地元の白大豆(フクユタカ)100%の自慢の味です。

かあさん茶屋 電話 0879-43-1211 月曜定休

自然の風を感じて

「かあさん茶屋」から北へ向かい、長尾街道に出る手前に「アイヴエモーション」の事務所があります。ここは、人気上昇中のオリジナル自転車「タイレル」が生まれた場所です。この自転車メーカーの創始者・廣瀬さんは、都市計画を手掛けていたという人物。そのときの専門が、自然との調和、省エネルギーなどがテーマの「環境共生の都市づくり」。計画の中ではゆとりや心の豊かさを求めていたのに、現実は都会の真ん中で働き続ける日々、それに疑問を抱き6年前に香川県に帰郷。そこから、自分が乗りたいと思う自転車を追求しているうちに、「タイレル」誕生となりました。ですから、タイレルは自転車好きの人が、こういう自転車がほしいんだという夢が詰まったデザインなのです。 2005年には、「ハンドメイドバイシクルフェア2005」においてSZが「サイクリング・シティバイク部門」人気投票第1位を獲得。

確かな手応えを感じつつ「タイレルWebストアー」を開設。 2008年には、韓国で「SEOUL BIKE SHOW」にも出品、熱狂的な歓迎を受けました。 ただいまのラインナップは、ミニベロの歴史を刻む「SZのフルモデルチェンジ」、振動吸収性に優れたチタニウムのしなやかな乗り心地「プレミアムミニベロ PK1」。7005アルミ製フレームによる美しいプロポーション&エレガンスなシルエット「エモーションナルデザインSV」など。ドキドキするような自転車に出合えます。(写真は2010年3月発売の折畳みミニベロFX)

アイヴエモーション 電話0879-43-0075

オンリーワンの手袋

「アイヴエモーション」から東に向かい、大川支所の近くにあるのが「イズイシ手袋」。昭和38年創業で、現在は二代目出石尚仁さんが代表となり、“CACA-ZAN”というブランドを立ち上げています。学校を卒業後、白鳥の手袋企業に勤務、その後も手袋縫製の職人として歩み、30年以上のキャリアがある出石さん。男性では珍しく、手袋を縫うことができる職人さんです。たいていの手袋制作の現場では、分業化と機械化が進み、デザイン、型抜き、切断、縫製と一人でできる人はほとんどいないそうです。また、縫製はたいていが女性の担当で、男性で手袋を縫うのも珍しいことなのです。そういう業界で、一人で作り、一人で売っているという出石さん。
オンリーワンに誇りを持ち、バイク、自転車、車、スキーとスポーツ手袋を中心に、機能的で心地よく、もちろんかっこよい手袋を提案しています。現在、タイレルとのコラボレーションの話も進んでいるとか。

5年前にネットオークションに出品したことから、オーダーの注文が来るようになり、ときには仮面ライダーなどの変身アイテムとか、コスプレの手袋をオーダーされることもあるそうです。コンセプトは、「シンプルではきやすく、あきない」。ここでは、流れ作業ではなく、一つ一つ心を込めて縫い上げる手袋の世界がありました。

イズイシ手袋 電話0879-43-5676

ころばぬ先のケアシューズ

県道10号バイパスの石田高校がある交差点を北へ。長尾街道も通り過ぎれば、間もなく左手に「徳武産業株式会社」が見えてきます。ここは、「あゆみ」という人にやさしいシューズを作る企業。会社の出発は昭和32年、手袋製造からスタート。やがて、季節変動の激しい手袋から旅行用スリッパやバレーシューズに転じて業績を伸ばします。しかし、義父の後を継いで二代目に就任した十河社長の代になって、バレーシューズは大手メーカーが東南アジアに製造拠点を移転。そこで、ケアシューズに取り組むことに。

確かな手応えを感じつつ「タイレルWebストアー」を開設。 2008年には、韓国で「SEOUL BIKE SHOW」にも出品、熱狂的な歓迎を受けました。 ただいまのラインナップは、ミニベロの歴史を刻む「SZのフルモデルチェンジ」、振動吸収性に優れたチタニウムのしなやかな乗り心地「プレミアムミニベロ PK1」。7005アルミ製フレームによる美しいプロポーション&エレガンスなシルエット「エモーションナルデザインSV」など。ドキドキするような自転車に出合えます。(写真は2010年3月発売の折畳みミニベロFX)

現在、日本一といわれる徳武産業のケアシューズが生まれたのは、特別養護老人ホームを経営する友人の「履きやすい高齢者用の靴を作ってくれないか」という言葉でした。

聞けば、転びやすく、体が思うように動かない高齢者のみなさんが、安心して簡単にはける室内履きや靴がないというのです。考えて見れば、よくあるスリッパでは若い者でも歩きにくい。かといって脱げないようなものでは、体を曲げにくい高齢者には脱ぎ履きに大変な手間がかかります。 そこで、県内の介護施設や老人病院を訪ね、高齢者の足を徹底的に調べ、また友人の老人ホームで細かい試行錯誤をくり返し、大勢の高齢者が安全に快適に便利に、満足できる履物が誕生したのです。徳武産業では、片足ずつ、高さ違い、幅違い、ベルトの向き違いなど、細かいオーダーを受け付け、あらゆるみなさんが履きよいシューズを提供しています。障害者の方や病後の方、介護施設で働く人のシューズも手掛けていますので、おしゃれで安全なはきものがたくさんあります。転ばぬ先に、安全で心地よい履物に出合ってみませんか。

徳武産業 電話 0879-43-5947

うしおじさんの大山牧場

徳武産業から北に向かえば、田んぼの中に「大山牧場」があります。こには、瞳が愛くるしいジャージ牛が住む牧場。この牛たちを細やかな愛情で育て上げ、その新鮮な牛乳が自家プラントでノンホモ牛乳になります。ノンホモとは、より搾りたてに近く栄養がこわれていない牛乳のこと。コクもなめらかさもミルクを超えたミルクです。実は大山牧場は、2009年「第41回香川県乳質改善共励会」において、飼育や衛生管理が144戸中第1位という最優秀賞を受賞しています。

うしおじさんの大山牧場 電話0879-43-6134

世界最古の化石とガーネットの採集地

「大山牧場」からいえば東の方向に雨滝山があります。その中腹にあるのが「雨滝自然科学館」。周辺はバードウォッチングやハイキングにも最適な森。見晴らしもよく、遠足の小学生も訪れています。ここでは、ただ歩くだけでなく、化石やザクロ石(ガーネット)を探す楽しみもあります。
実は、ここから世界最古というナマズ科の化石が発掘されました。 また、ガーネットは関西地区で有数の採集地です。
館内には、周辺から発掘された化石の数々や瀬戸内海の海底に生息するという幻の珊瑚の展示が行われ、学習室もあります。予約をすれば香川県の地質や化石の学習をすることもできます。土日は親子教室が開催されていて、化石の模型づくりや化石のクリーニングなども体験できます。館長である森先生の指導で、地球環境の過去から未来まで学ぶことができる「雨滝自然科学館」です。

雨滝自然科学館 電話0879-43-0155 /月曜・火曜・年末年始休館

地産地消のカフェ

雨滝山の南、県道133号線から少し東に入ったところに、オープンカフェ「さくらさくら」があります。ここは、「かがわ地産地消協力店」。 減農薬の安心野菜など地元の食材をたっぷり使ったランチが楽しめます。

オープンして9年目のこの店は、酪農家として牛や鶏を飼っていた以前の牛舎を改装してオープンしました。昔から植えていた花を少しずつ増やし、自分でレンガを積み、ペンキを塗ったという庭とお店は、まるでメルヘンの世界。春には、店名のように、彼岸桜や吉野桜も花開くとか。車を降りてお店までは、車いすも入れるようにと心遣いがされていて、ひとときゆっくり癒やされるお店です。店内には、かわいい手作り品も置いてあります。

電話 0879-43-3547/定休:水曜・日曜

300度に耐え、パリコレに登場

国道11号線から津田の県道133号線を南に下り長尾街道を東へ進めば、四国最大の規模を誇る前方後円墳「富田茶臼山古墳」が見えてきます。さらに東へ進み、陶山病院の先の道の左手にあるのが「(株)ダイコープロダクト」。1963年に手袋製造業として創業し、2003年に社名変更。手袋づくりで培ってきたものづくりのノウハウをフルに生かし、現在は主に手袋、袋物、小物雑貨の商品企画から製造までを手掛けています。特に、手袋はファッション手袋のみならず、消防・警察などで使われているものやスポーツ・アウトドアグローブなどを国内・海外で作っています。

そこで、素材から縫製まで厳しい安全性と質をクリアしなければなりません。例えば、レスキュー隊員が使う手袋は、素早い動きに対応する極薄のフィット感がなければなりません。また溶鉱炉用のグローブは、200度から300度の熱に耐える素材と縫製。特殊耐刃構造グローブは、刃物を受け止める丈夫さが要求されます。ほかにも、ダイビング用、ゴールキーパー用、吸汗速乾性があるジョギング手袋と過酷な状況下の幅広い要望に応えています。かと思えば、東京はもとよりパリやミラノのコレクションに登場する手袋もあるとか。ダイコープロダクトのものづくりの技は、さまざまな世界を確実に支えているのです。

(株)ダイコープロダクト 電話0879-43-3566

優美な古式畳(こしきだたみ)

再び長尾街道を進み、かつて義経が通ったという「たづら古道」に入れば、「黒田畳店」があります。ここは、地元のみなさんに便りにされている畳店ですが、それだけではなく香川県伝統工芸品の「古式畳」の技を伝えています。平成14年に香川県伝統工芸士として認定を受けた黒田幸一さんは、職業訓練指導員一級技能検定、技能フェスティバル技能士表彰なども受賞し、畳づくり40年、古式畳歴20年というキャリアがあります。創業は祖父の時代、昔は寺の仕事など古式畳を作る機会も多かったそうですが、時代の流れと共に発注もすっかり少なくなってしまいました。そこで、花台や飾り台として製作することにしましたが、本格的な錦の布で縁を縫い上げるのにはコストがかかりすぎるので、簡易版として和紙を使ったものも作るようになったそうです。これならば、「ゆ~とぴあみろく」などの売店で手軽に手にとってもらえます。絵も趣味という黒田さんは、香川県特産の保多織のへりでも古式畳を作りました。お雛様などの節句人形にもぴったり合う、へりの錦が美しい古式畳。見事な技を残したい日本ならではの畳文化です。

電話 0879-43-3385・0879-43-5625(自宅)