LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

今年も暑い夏がやってきました。この夏は特に節電の夏、「丸亀うちわ」を片手に、海にでも涼みに行きた~いと思っている人も多いことでしょう。さて、昨年は瀬戸内芸術祭でにぎわった香川の島々、アートと共に島の自然や文化が大好評でした。そこで、「もっと自分だけの楽しみ方で島の魅力を発見してみたい!」と思った方もおられるのでは。そんな方に、香川県の西部に浮かぶ島々もおすすめします。ここには、貴重な風習や風景が残され、素朴な旅情が漂っています。今回はそんな島々も浮かぶ多度津エリアをご紹介します。

近代文化が目覚めたまち

JR高松駅から特急で約30分、善通寺ICからは車で約10分、香川県の中部に位置する多度津町があります。江戸時代には、京極藩の陣屋町として栄えた多度津。北前船やこんぴら参りの船着き場として、全国にその名をはせていました。明治時代には、この町で四国の近代文化が次々と生まれました。

多度津は、四国鉄道の発祥の地であり、四国初の測候所、一等郵便局、電灯会社が設立されたまちでもあるのです。JR多度津駅に降り立つと、四国鉄道発祥の地として記念のモニュメントが飾られ、傍らの小公園にはなつかしのSLが黒くたくましい姿を見せています。
多度津駅から徒歩約10分、「JR四国多度津工場」があります。ここは明治22年(1889年)に建設された全国でも2番目に古い鉄道車輌工場。敷地内の建物のうち、明治や昭和初期に建設された7棟は近代産業遺産に認定されました。この工場では、15人以上40人未満のグループで10日前までに予約をすれば、鉄道車輌の検査業務をはじめ、鉄道グッズや写真パネルなどを見学することができます。

JR四国多度津工場 車両課 電話0877-32-3201 予約・問い合わせ・見学は平日のみ

武家屋敷の資料館

JR多度津工場から歩いて3分ほどのところに「多度津町立資料館」があります。まず建物自体が風情ある武家屋敷、旧多度津藩士の浅見家から寄贈されたもの。玄関に入って、目に飛び込んでくるのは、模型和船。高見八幡宮に奉納されたもので、奉納年代が県内で最も古く、全国でも3番目に古いものだそうです。この弁才船は、北前船の航路で大活躍した船。これを造り、操った塩飽諸島の人々の技は高く評価されていました。資料館の中には、多度津町の歴史が展示され、なつかしの暮らしの一場面も見ることができます。
毎年8月には、平和を守るために戦争の記憶を伝える特別展や“すいとん”を試食する日もあります。また、お盆過ぎからは、奥の座敷で「八朔人形」の展示も行う予定です。

問い合わせ 電話 0877-33-3343  休館:月曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始 入館料無料

眼なおし薬師

今度は、JR多度津駅から徒歩約15分、四国霊場第77番札所「道隆寺」に向かいます。町立資料館からは前を通る県道21号線を東へ向かえば、こちらも徒歩15分弱で到着します。ここは、寺を開基した和気道隆(わけみちたか)作の小さな像を、弘法大師自らが刻んだ薬師如来の胎内におさめ本尊としたと伝わります。この寺は、「眼なおし薬師さま」として有名で、丸亀京極藩の京極佐馬造は幼いころより盲目であったが、本尊の薬師如来に祈願し全快したといわれています。その後、佐馬造は御典医となり眼病の達人と呼ばれるようになりました。

門前の「眼蘇(めいきる)茶」

道隆寺の門前で、お遍路さんにお茶の接待をしているお店「サンエイ」があります。冬は温かく夏は冷やして出すお接待のお茶は「眼蘇茶」。これは、戦国時代から眼病に効くといわれてきたメグスリノキなどをブレンドした薬草茶です。といってもさわやかに飲みやすく、訪れるお遍路さんらに大好評。そこで、お茶に加え「眼蘇飴」も発売されました。店内には、お土産物のほかに遍路用品や仏具が飾られていますが、ここは巡拝用品がそろう店としても有名で、総本山善通寺や四国霊場会御用達の店。ほのぼのとした仏画で知られる観瀾斎さんの作品も置かれています。一押しは来年の干支龍の開運色紙とのことでした。

株式会社サンエイ 電話0877-32-5111 HP http://www.sanei77.jp

香川ブランド「讃岐コーチン」

県道を挟んで道隆寺のすぐ北には、「まるほ食品」があります。ピザ工場という看板があり、ここでは安全な食品を生産・流通・販売するためのISO22000を取得したという工場で冷凍ピザが製造されています。ここ「まるほ食品」は食鳥、鶏肉を扱う企業として出発しました。香川県や徳島県に直営農場を持ち、非遺伝子組み換えのトウモロコシをエサとした「P・H・F若どり」などのブロイラーを手がけてきたのです。

そして、ここでは香川県が誇る「讃岐コーチン」を取り扱っています。貴重な「讃岐コーチン」は、香川県畜産試験場が開発し、当時の香川県知事が命名した鶏で、足に毛が生えているのが特徴。飼育期間は80日以上と長く、そのため味が深く、弾力のある歯ごたえがたまりません。ご存じ“讃岐三畜”の一つとして、香川県の推奨商品です。綾川町滝宮にある直営農場を見学させてもらいましたが、平飼いの開放的な鶏舎で元気な讃岐コーチンが走り回っていました。
現在、この「讃岐コーチン」を使って、ビールやワインにもおすすめの“スモークチキン”、 “パストラミチキン”、ぷりぷりの歯ごたえと味わい深さがたまらない“ウインナーソーセージ”、“チキンナゲット”などが販売されています。そのおいしい鶏肉を手に入れることができるのが、すぐ前にある直営店「とっとや」。歩き遍路さんの鼻をくすぐるようなおいしいにおいが漂ってきます。

まるほ食品株式会社 電話0877-33-2265

絶品フランクフルト

「とっとや」は、まるほ食品の直営店として4年前にオープン。近隣はもちろん、県外からの常連さんもいるというおいしい焼き鳥を味わえます。モモやタマネギとのねぎま、手羽塩、つくねなどが並んでいます。ほかにも、骨付き鶏や唐揚げ、モツ煮などもあります。なかでもぜひ味わっていただきたいのが、今年の2月に発売された「讃岐コーチン」のフランクフルト。すぐにかぶりつくこともできますが、冷凍製品の持ち帰りもあり、お湯で解凍した後は切れ目を入れ、フライパンで焦げ目がつくくらいかりっと焼くのがおすすめ。4月発売のスモークチキンやパストラミは、薄切りにして、おつまみにしたり、サラダに入れたり、その深いうま味を味わいましょう。希望によって、クール便で発送もしてくれます。

とっとや 電話0877-33-3550 休業日 水曜 15時~20時

B級グルメの注目株

続いては、多度津発のB級グルメとして人気上昇中「鍋ホルうどん」をご紹介します。訪ねたのは、JR多度津駅から徒歩約4分、資料館からも約4分の場所にある「いこい」。ここで、多度津鍋ホルうどん普及委員会事務局の小原さんにお話を伺いました。「鍋ホルうどん」の始まりは、1957年ころ小原さんの父親が当時の国鉄多度津工場で働く千数百人の職員さんに食べてもらおうと考え出した「鍋ホルモン」。今でよく言うもつ鍋で、その仕上げにうどんを入れたことから「鍋ホルうどん」が誕生しました。一時は国鉄職員の減少で忘れられていたメニューですが、「まちおこし」の起爆剤にと復活しました。現在、「鍋ホルうどん」を食べられる店は5店舗になりましたが、営業店数10店舗を目指して努力を続けています。ホルモンにうどん、シャキシャキのキャベツにニラ、スタミナたっぷりの鍋は冬はもちろん、暑い季節にも夏バテ防止におすすめ。「いこい」の自慢はニンニクをすりおろしたしょうゆだれの味付けですが、各店の味付けを食べ比べてみるのも一興です。

鍋ホルうどんのお問合せ
多度津鍋ホルうどん普及委員会事務局(多度津ライオンズクラブ内) 0877-33-2882/いこい(0877-33-2007)
ひろ濱うどん多度津店  0877-32-4455
平野屋(鍋ホルうどんは要予約)  0877-33-3053
旬和「花瀬」  0877-32-3200
焼肉松阪(丸亀市)  0877-24-2362

港の人気店

続いては、多度津港に向かいます。島々に発着する船着き場にあるのが、海食処「笑門家(ええもんや)」。港に着いた漁師さんから直接仕入れることもあるので、鮮度バツグンの海の幸を味わえます。刺身などの単品、ランチメニュー、どんぶりから会席までメニューも多彩。地元の人々にも人気の“ええもん”が味わえる「笑門家」です。

問い合わせ 電話0877-32-1331 休み:第1第3火曜日 営業:11時30分~14時・17時~23時(LO)

塩飽の恵みを味わう

今度は浜街道に出て、丸亀方面に向かって車で少し走ると、道の右側にあるのが「みなと新世(しんせ)」。道隆寺からは徒歩約16分のところにあります。ここは、1977年創業の歴史ある日本料理店。朝どれの魚介類をはじめ、地元の食材を生かし、季節感あふれる料理を楽しめます。瀬戸の恵みを豪快に楽しむなら活魚舟盛り、また旬の逸品もいろいろあり、冬にはタイラギガイ、夏にはタコ料理もおすすめです。御前料理や旬の会席も人気の「みなと新世」。塩飽の海を思う存分味わいましょう。

問い合わせ 電話 0877-33-4404 営業時間11時30分~14時・17時~22時  休み:火曜日

旬の漁師料理

さらに浜街道を丸亀方面に向かって走ると、道隆寺から徒歩約17分、道の左側に漁師料理「生栄丸(せいえいまる)」があります。瀬戸内海を眺めながら食事を楽しめるというここは、少人数から最大100名まで収容できるという宴会もOKの店。ランチタイムも大勢の人でにぎわっているのは、とれたて新鮮な海の幸を味わえるから。実は、この店は「倉本水産」の直営店。魚料理のおいしさには定評があります。

漁師料理「生栄丸」 電話0877-58-5888 営業時間11時~14時・17時~22時(LO)

鮮魚直送&朝市

浜街道沿いに本社と第2工場がある「倉本水産」は、養殖業の輸送販売から始まり、現在は加工部、活魚部などもあり、瀬戸内海のピチピチ新鮮な魚を大阪市場や東京市場にも送り出しています。今では、ネット販売のサイトも開いていますので、クール便で手軽に瀬戸の旬を手に入れることができます。そんな夏のおすすめは、地元のマナガツオ・タコ・キス・ベラ・カマス、そしてハモ(徳島・兵庫)。香川産に限定し季節を追ってご紹介すれば、冬は年末の高見島でも養殖を行っているトラフグ。年末年始のタイラギ。2月~4月のイカナゴ。4月・5月は讃岐でんぷく、イカ、タイ、スズキ、チヌ、太刀魚。5月・6月はサワラと、瀬戸内海のごちそうを余すことなく味わうことができます。この新鮮な海の幸は、日曜日の朝市でも販売されます。場所は、倉本水産の第2工場。JR多度津駅からは徒歩約15分の浜街道沿いです。

倉本水産 0877-33-3554 HP http://www.kuramoto-suisan.co.jp/

四国別格霊場

浜街道をさらに西に向かうと、屏風浦「海岸寺」があります。JR海岸寺駅から徒歩約3分。ここは四国別格二十霊場第18番札所。寺の縁起によると、ここは弘法大師空海の母である玉依御前(たまよりごぜん)の里があった場所で、大師誕生の聖地とされ、奥の院には「産湯の井戸」が残されています。「海岸寺」はその名の通り海辺にある寺。寺の裏には、海水浴場が広がっています。

問い合わせ 電話0877-33-3333

奥白方のブドウ

海岸寺から、さらに西南方向、奥白方に向かいます。ここには、京極家の家老であった林求馬(もとめ)が、幕末に外国船の砲撃から殿様を守るために建てたという家老屋敷が残されています。さらに、弥谷山に上がっていくと、ぶどう園の温室が広がります。この地のブドウ栽培の始まりは大正7年、やがて西日本有数の種なしぶどうの産地となりました。今では、県産デラウェアの9割をこの奥白方地区で生産しているそうです。
ここには、また夏休みの体験にもぴったりの観光ぶどう園もあります。そのぶどう園を経営する尾崎さんを訪ねました。栽培歴半世紀というぶどう栽培のプロ、尾崎さんは、現在は5種類のブドウを育てています。7月初旬からお盆ころまで収穫できるのが“デラウェア”。8月1日~20日ころまでは、皮ごと食べられるという赤くて大きな粒の“紅バラード”。8月一杯は甘くてさわやかな“ピオーネ”。9月一杯は甘くまろやかな“ロザリオビアンコ”、独特の甘みがある赤系の“甲斐路”と、7月から9月までそれぞれの味を楽しむことができます。収穫直後のブドウは、まさにジューシー。たっぷりの果汁が甘くさわやかにお口に広がります。ぜひ一度、もぎたてのぶどうを味わって見てください。ぶどう園からは瀬戸内海も望めます。

問い合わせ  JA多度津支店 0877-33-1351

世界に広がる「少林寺拳法」発祥の地

海岸寺から、さらに西南方向、奥白方に向かいます。ここには、京極家の家老であった林求馬(もとめ)が、幕末に外国船の砲撃から殿様を守るために建てたという家老屋敷が残されています。さらに、弥谷山に上がっていくと、ぶどう園の温室が広がります。この地のブドウ栽培の始まりは大正7年、やがて西日本有数の種なしぶどうの産地となりました。今では、県産デラウェアの9割をこの奥白方地区で生産しているそうです。

ここには、また夏休みの体験にもぴったりの観光ぶどう園もあります。そのぶどう園を経営する尾崎さんを訪ねました。栽培歴半世紀というぶどう栽培のプロ、尾崎さんは、現在は5種類のブドウを育てています。7月初旬からお盆ころまで収穫できるのが“デラウェア”。8月1日~20日ころまでは、皮ごと食べられるという赤くて大きな粒の“紅バラード”。8月一杯は甘くてさわやかな“ピオーネ”。9月一杯は甘くまろやかな“ロザリオビアンコ”、独特の甘みがある赤系の“甲斐路”と、7月から9月までそれぞれの味を楽しむことができます。収穫直後のブドウは、まさにジューシー。たっぷりの果汁が甘くさわやかにお口に広がります。ぜひ一度、もぎたてのぶどうを味わって見てください。ぶどう園からは瀬戸内海も望めます。

一般財団法人 少林寺拳法連盟本部 電話0877-33-2020 HP http://www.shorinjikempo.or.jp/

讃岐の酒を楽しもう

そこで続いては、多度津町の南にある「西野金陵」を訪ねます。江戸時代から“讃岐のこんぴら酒”と呼ばれ、金刀比羅宮の御神酒として知られてきた「金陵」。前回の琴平では「金陵の郷」をご紹介しましたが、その大規模工場がここ多度津葛原(かずはら)の地にあります。

葛原は大変に良質で豊かな水があることで知られ、琴平に始まった酒造りをこの地に移し、讃岐の旨き酒を造りつづけてきたのです。そうした歴史ある日本酒に加え、最近では讃岐が誇る和三盆を使い財田のウメを仕込んだリキュール“白下糖梅酒”、香川県産オリジナル品種の黒大豆から生まれた焼酎“讃州黒”、香川県オリジナル酒米“さぬきよいまい”の日本酒など、ふるさとのオリジナリティあふれる新商品が次々と生まれています。香川では、“さぬきうどん”を味わうように、“讃岐の酒”をぜひお楽しみください。瀬戸内海の幸、讃岐の里の恵みとも、絶妙の相性です。

問い合わせ 電話0877-33-4133 HP http://www.nishino-kinryo.co.jp/index.html

さぬきの夢が広がる

ここ葛原は、水の良さから豊かな農業地帯としても知られています。“さぬきうどん”のために生まれた県オリジナル小麦“さぬきの夢2000”の栽培を手がける「農業法人葛原(かずはら)営農組合」も設立されました。そこで、代表理事の大森さんにお話を伺いました。農業を取り巻く環境がめまぐるしく変わる中、地域の力を合わせ、良質な農作物を送りだそうと3年前にスタートした葛原営農組合。現在メンバーは34名。麦約33㌶、水稲約15㌶、ほかにも大豆やタマネギ、スイートコーン、ブロッコリー、ニンジン、なすび、ダイコン、スイカなど多彩な農作物を栽培しています。その中でも中心となっているのが麦。はだか麦と小麦を栽培し、小麦の「さぬきの夢2000」は、平成21年から本格的に栽培をはじめ、この粉で打つうどんは味が良いと評判です。けれど、栽培の立場からは、収穫時期に大風が吹くとすぐに実が散ってしまう悩みがあったのだとか。そこで、品種改良されたのが「さぬきの夢2009」。うどんの歯触りや味もますます良くなったという小麦の新品種。葛原でも、種を取るための栽培が始まり、25年春には本格的に収穫の見込みです。

JA香川県多度津支店 電話0877-33-1351

フレッシュ農産物と手づくり加工品

葛原地区から車で約8分、県道212号線沿いにある「産地直売所多度津店」を訪ねます。ここは、多度津エリアの新鮮な農産物や自慢の加工品がならぶ産直。季節には多度津自慢のミニトマトが真っ赤な顔をのぞかせていますが、8月9月は品薄。そこで、通年を通じての人気商品がうま味たっぷりのミニトマトを使ったジャム。元気な朝の食卓にもよく似合います。また、女性部手作りのみそ、おからクッキー、水曜と金曜限定の豆腐やお揚げ、また、夏の店頭には、デラウェアやピオーネ、ふじみのりなどの甘いぶどうが待っています。地元のおいしさ満載の「産地直売所多度津店」です。

問い合わせ 電話0877-33-1391(月曜定休 8時~16時)

夏の旬はマナガツオやタコ

それでは再び多度津港に向かいます。「産地直売所多度津店」から車で約8分、JR多度津駅からは徒歩約17分で到着します。まず、この港にある多度津町高見漁業協同組合を訪ねました。この漁協は、高見島や佐柳島沖で漁業をする人々のための漁業組合。島々は平地が少なく、田畑もわずか。そこで漁業中心の暮らしとなります。周辺では早春から初夏に描けてイカナゴ漁が盛ん。続けて夏にはマナガツオやタコ漁が行われます。また、底引き網漁業を行うので、網の中にはさまざまな小魚が入り、季節ごとの繊細な味を楽しむこともできます。といっても島の後継者不足は深刻で、多くの若者が島外へと移り住んでしまいました。それだけに、素朴な島ならではの風情が漂う高見島や佐柳島。それでは、多度津港を後に2つの島に向かってみましょう。

高見島と佐柳島

多度津港からフェリー(三洋汽船 電話0877-32-2528)に乗って25分、高見島に到着しました。ここには塩飽諸島の最高峰という龍王山があり、約25度という急斜面に石垣を築き、集落が造られています。港のわずかな平地をたどると、後は急な坂道や石段が続きます。そんな坂道をたどって、「大聖寺」に向かってみました。途中は石垣を高く築いた上に家が建てられていますが、中にはお城?と思うほど立派なお宅も。と思えば、主を失ってしまったのか、朽ちてしまった屋根も。そんな家並みの向こうに海が見えるのは、なんともいえない旅情を感じます。そうしてたどり着いた「大聖寺」は、弘法大師の開基と伝わり、釣鐘がかかる山門には見事な彫刻でお相撲さんがしゃがんでいました。

続いては、高見島からフェリーで30分、多度津港からは65分の佐柳島です。こちらも高登山を中心に山裾が海辺に迫り、わずかな平地に肩を寄せ合うように家並みが続きます。この山の中腹には、「大天狗神社」があり、天狗の像が彫られています。
この2つの島には、葬祭の歴史を物語る貴重な風習「両墓制」が残されています。これは、遺体を埋葬した場所の墓とお参りするための墓と別々に設ける習俗で、浜辺近くには波音を聞くように埋め墓が並んでいました。また、両島ともネコのパラダイス。高見島では、道一杯に占拠するネコの集団に出合いました。そして、島には美しい砂浜があります。島の海辺でゆったり波と戯れる、そんな夏の日が一番のエコかもしれません。

多度津町高見出張所 電話0877-34-3101 佐柳出張所 電話0877-35-3101

まだまだ訪ねてみたいポイントやお店がある多度津町。8月第一土曜日(平成23年は6日)には「たどつ夏まつり」も開催されます。総踊りに花火大会、夏休みの思い出にぜひ、多度津エリアにお越しください。

多度津町役場 電話 0877-33-1110