第2回 オリーブハマチ
80年以上前に香川県で始まったハマチの養殖は、やがて全国に広がり、
家庭の食卓になくてはならない存在に。そして今、香川県では“ひけた鰤” “なおしまハマチ”といった
ブリオリジナルブランドが登場しています。
その中で最も新しい“オリーブハマチ”を今回リポート。
オリーブの葉を食べて育てられているハマチってどんなハマチ?
養殖場や料理屋さんで聞いてみました。
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オリーブハマチの歴史・周辺環境
まず向かったのは、オリーブハマチが誕生した高松市庵治漁協。実際に試験養殖に携わった“オリーブハマチの匠”嶋野さんにお話しをお伺いしました。
嶋野さん(以下、嶋)「香川県らしいオリジナルブランドをつくろうということで、オリーブの葉をハマチのエサにしたんです。オリーブの葉には体にいい成分が含まれていることがわかってたからね。そうしたら味もよくなって、色落ちしにくいハマチになった。市場関係者の評価も高かったから、本格的に発売することになったんです」 -
オリーブハマチの養殖風景
庵治沖の養殖場は波が穏やかな島影にあり、とっても風光明媚。取材中も生け簀の回りにはサヨリやボラの大群が。
嶋「この辺りには鯛とかもいっぱいおるよ。ハマチが健康に育たないと味が良くならないから、魚にとっていい環境でないと。エサも水温に合わせて量を変えるし、一度に少しずつしかやらないんだ」
こうした漁師さんたちのこだわりや養殖技術の発達も、オリーブハマチのおいしさを支えているんですね。 -
エサに混ぜるオリーブ
オリーブハマチのエサはアジなど小魚がベース。船上でオリーブの葉など栄養分とミックスされ、すぐに与えられます。
嶋「小魚は人間が食べられるくらいの鮮度なんだ。オリーブの葉も無農薬栽培の物を使ってるんだよ。葉の粉末、なめてみる?」
葉の粉末は緑色で、オリーブの香り。ちょっとなめてみると前回取材したオリーブ茶を思い出しました。少し苦みがあり、確かに健康に良さそうな味… これを食べて育ったオリーブハマチは、どんなおいしさになるのでしょうか? -
オリーブハマチの料理
続いて、オリーブハマチの料理が食べられる高松市内の料理屋さんへ。笑顔がやさしい女将さんに作っていただいたのは定番の刺身の他、カマ焼き、南蛮漬けなど。
女将さん「ウチは養殖物は使わないんだけど、オリーブハマチだけは別。脂がのってるのにさっぱりしてるところが特徴かな?身が締まってて臭みもないから、どんな料理にも合いますね。」
首都圏のデパートでも発売が始まった“オリーブハマチ”は、発売数年でもうすでに香川県産ブランド魚の代表格になったと言えそうです。