第12回 香川漆器
梶 剛(かじつよし)
NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ
食器や家具などを数多く生産し、全国的にも高いシェアを誇る漆芸王国香川。
今回はその”香川漆器”のリポートです。梶さんは「漆器はおばあちゃんちで見たことがある」程度。
「間近で見るのは初めてなのでとっても楽しみです!」。未知の世界にワクワクしながらお店に向かいました。
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江戸時代に始まった香川漆器
お訪ねしたのは漆器の製造販売を行っている『一和堂工芸』。
まずは浅野社長に基本的なことを教わりました。
香川の漆芸は江戸時代に始まったこと。先人たちが工夫に工夫を重ね、いまでは5つの技法が国の伝統的工芸品に指定されていること… 説明の合間に見せていただいた漆器はどれも美しいものでした。 -
戦時中の食器から、最新のコーヒーカップまで
淺野社長によると「香川の漆器はとっても丈夫。普段使いしても平気ですよ」。
店内には色鮮やかなコーヒーカップ、タンブラーなど数々の洋食器も。
価格も手ごろで「これなら僕らでも気軽に使えますねぇ」と梶さん。
その丈夫さからか、第二次世界大戦中には“兵士の携行用食器”にも香川漆器が。
今回は特別に貴重な実物も見せていただきました。
いろんな苦難の時代を経て、現在の香川漆器があるのですね。 -
完成までには数多くの職人技が
香川漆器は“塗っては研ぐ”を何度も重ねるのが特長。次はその工程を見せていただきました。
工房に入ると部屋中に漆の香りが。職人さんたちが真剣な面持ちで“塗り”の作業を行っています。
下地工程を経た黒っぽい器が、色漆で鮮やかに彩られていく様はまさにアート。
使うのは筆や刷毛のみ。全くの手作業で一寸の狂いもなく次々と仕上がっていく漆器たち… 梶さんも見事な技に魅入られたようです。 -
木地づくりにも香川ならではの技が
最後に訪れたのが漆器作りに欠かせない“木地づくり”の工房、『クラフトアリオカ』。
有岡社長が「伝統的工芸品だからこその工夫」を熱く語ってくれました。材料となる木は伐採してから数年間乾燥。
さらに大まかに形を整えてからも数年かけて乾燥させます。また、他の産地では脚で動かすロクロを香川では水車で動かしていたそうです。
今はモーターで動かしていますが、ロクロの構造そのものは昔のままだとか。
「香川ならではの作り方を守っていかないかん」。有岡社長の言葉にうなずく梶さん。
ますます県産品への興味が湧いたようです。