第39回 地魚
梶 剛(かじつよし)
NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ
瀬戸内の恵みを堪能!
水揚げされたばかりの地魚3種が登場!
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鮮度の良い魚が並ぶ高松中央卸売市場。
おいしい地魚を求めて梶さんがやって来たのは、早朝の高松中央卸売市場。たくさんの魚介類がところ狭しと並べられています。ガイドしていただいたのは、香川県魚市場株式会社の社長の山本さん。「高松中央卸売市場は他にくらべ、魚のイキが良いのが魅力です。それは、魚場の近くに漁港があるから。鮮度を損なうことなく水揚げされるんです」。山本さんのお話を伺いながら、梶さんは様々な地魚を興味深そうに眺めます。朝5時半からは、セリがスタート。ここでは全国でも珍しいセリ下げ方式をとっています。セリ人が品物の価格を下げていく間に、一番早く手を挙げた人が落札。魚の量や種類が多いため、このような方式でセリのスピードを速めています。
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旬の小エビ、頭からバリバリいただきます。
おいしそうな魚介類が並んでいますが、中でもおすすめなのが、夏から秋にかけて旬を迎える小エビ。10cm前後までしか成長しないものを小エビと呼び、関東よりも西日本、特に瀬戸内海で多く獲れます。今回は、この小エビ、唐揚げでいただきます。揚げたての小エビからはいい香りが。梶さん、頭からバリバリとかぶりつきます。「甘くて、身がやわらかい!」と絶賛。頭の赤い部分のミソは特に甘いようです。調理法はいたってシンプル。軽くお酒をふって、塩こしょうで味付け。片栗粉をつけて、さっと揚げます。揚げた後、焼き塩をふってできあがり。
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ハモといえば、関西ではなく香川県?
続いては、細長い形が特徴的なハモ。「ハモって関西の魚じゃないんですか?」と、梶さんが不思議そう。山本さんに「瀬戸内海でよく獲れます。ここで水揚げされたものを関西に出荷するケースって多いんですよ」と教えていただきました。鮮度を保つため、市場でさばき、身を2~3mm幅に刻む骨切りという調理法を施したハモ。これをしゃぶしゃぶでいただきます。ハモの骨でとったダシでしゃぶしゃぶして、梅肉をつけてパクリ。「弾力があっておいしいですね!」と梶さん。ハモは一般の人では料理しにくい魚ですが、その味わいは高く評価され、高級魚として扱われています。
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涼しくなって旨味を増してきた舌平目(したびらめ)。
平たくて、背びれ、尾びれ、尻びれがつながっている形が特徴的な舌平目(したびらめ)、地元では「ゲタ」と呼ばれています。年中獲れますが、暑さが過ぎると身が肥えて脂がのってきます。瀬戸内海の舌平目(したびらめ)はサイズが大きめなのが特徴。関東では値が張りますが、香川県では安く手に入るところも魅力の一つです。煮付けにした舌平目(したびらめ)が、梶さんの目の前に。箸で身をほぐすと、身離れの良さにちょっとビックリ。そのまま口に入れると、「肉厚があるから食べごたえありますね」とおいしそう。舌平目(したびらめ)は上品な旨みが特徴の白身の魚で、幅広い料理に使えます。煮付け以外には、フライやムニエルがおすすめです。
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瀬戸内海は天然の養殖場。魚介類が豊富。
今回、地魚を調理していただいたのは、高松市にある料理店『百とら』を営む友澤さん。香川県の地魚の魅力を友澤さんに伺いました。「種類が豊富で、季節それぞれ、旬の魚を食べられる点が魅力。瀬戸内海の水温は、冬は青森県並に冷たく、夏は沖縄県並に温かくなります。移動する魚は好みの水温を求めて、瀬戸内海と太平洋を行ったり来たりします。そのため香川県では、年間を通して多くの種類の魚が水揚げされるんです」。「調理で気を付けているポイントは?」「素材の良さを引き出すために、シンプルで薄めの味付けを心がけています」と友澤さん。まさにその言葉通りの料理が三品。梶さん、香川県の地魚に大満足でした。