第47回 サヌカイト(カンカン石)
梶 剛(かじつよし)
NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ
「サヌカイト(讃岐岩)」は、香川県の代表的な景勝地の一つ「五色台」で採れる、世界的にも珍しい石。
別名”カンカン石”とも呼ばれており、地元の人たちに古くから親しまれています。
今回はその「サヌカイト」について、梶さんがリポート!
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固い岩石からは、想像できないやさしい音色にビックリ。
五色台周辺で採れる石「サヌカイト」の魅力を求め、サヌカイト商品を製造している「平井石産」を訪ねた梶さん。まずは、ゴツゴツした原石から楽器に生まれ変わる工程を実際に作業しながら教えてもらいます。「サヌカイトはとても硬い岩石のため、まず最初に薄いスラブ状(板状)に切り出します。そのスラブを約0.5ミリずつ挽き(切り)、石の厚みと長さを削りながら音色を調整するチューニングを行い、石の楽器になるんですよ」と平井さん。音色の調整を行ったスラブは、「石琴」(せっきん)と呼ばれる独特の美しい音色を奏でる楽器に。
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自然が創りだした贈り物、癒しの音色を体感。
叩くと「カーンカーン」と心地よい音色がでることから「カンカン石」とも呼ばれるサヌカイト。世界でも珍しい石の楽器として、前回の東京オリンピックで開会式の開始を告げたのも、サヌカイトの美しい音色だったとか。また現在では、その癒しの音色を音楽療法としても活用されているそうです。「音色が凄く心地よくて、精神にも身体にも本当にやさしい」とほれ込んだ梶さんでした。現在では、日常生活の中で気軽にこの癒しの音色を聴けるようにと、風鈴やドアチャイムなどの商品も販売されています。
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サヌカイトの誕生に想いを馳せる。
サヌカイトに興味を持った梶さんは、その歴史や特徴を調べるため、「香川県立五色台少年自然センター」を訪ねました。教えてくれたのは、地学領域専門職員の納田さん。「サヌカイトは今から約1400万年前に活発に活動していた火山の溶岩が冷やされて固まった石と言われ、独特の風化の仕方をするという特徴があります。その名前の由来は、1891年にドイツの岩石学者ヴァインシェイクが香川県の石という意味で、讃岐のサヌを取ってサヌカイトと名前を付けたと言われていて、現在世界でも通用する学名となっています。」約1400万年という、とんでもない年月に只々ビックリするとともに、サヌカイトの誕生に想いを馳せ感慨深げな梶さんでした。
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サヌカイトと人間の歴史に触れて感動。
「風化の仕方が独特で、切れやすいという特徴を持つサヌカイトは、約2万年前の石器時代に、矢じりや石包丁として使用されていたんですよ」と納田さん。実際にサヌカイトの石を使って、紙を切る体験をした梶さん「わっ凄い。こんなに切れるんですか!」と切れ味にびっくり。“ソフトで美しい癒しの音色”と“硬くてシャープな切れ味”という2つの特徴が共存する特別な石は、香川県が世界に誇れる石だと改めて感心する梶さんでした。