第68回 オリーブマダイ
梶 剛(かじつよし)
NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ
オリーブハマチ、オリーブぶりに引き続いて、香川県の県花・県木オリーブと養殖魚がコラボレーションした「オリーブマダイ」が2018年に誕生。
出荷シーズンの11月に、養魚場の東かがわ市の相生漁港にやってきました。
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おいしさの秘密はえさに混ぜ込んだオリーブの葉
香川県の東の端、南には阿讃山脈を望む自然豊かな地に相生(あいおい)漁港はあります。
「オリーブマダイは2018年に誕生した香川県の新しいブランド魚なんですよ」と養殖業を営む三谷さんが教えてくれました。
先輩ブランド魚である「オリーブハマチ」「オリーブぶり」のえさにオリーブの葉の粉末が入っていることは知られています。 -
「オリーブと名がつくからには、オリーブマダイにもやっぱりオリーブの葉が入っているんですか」と梶さん。
「オリーブマダイの粒状のえさにはオリーブの葉の粉末が1.5%以上練り込んであり、出荷前に20日以上与えることがオリーブマダイの条件になっています。」と三谷さん。
「時化(しけ)が出て(風雨のために海が荒れる)、えさがやれないこともあるから、うちでは1カ月前ぐらいからオリーブの葉のえさを与えています」 -
水深15mのイケスでのびのび育つオリーブマダイ
香川県でオリーブマダイを養殖しているのは、ここ引田エリアや牟礼エリアなど数カ所。養魚場は相生漁港から船で10分ぐらいの沖合にあります。
「引田の沖合は水深が20mほどと深いため、養殖に適しています」と三谷さんは言います。 -
養殖イケスの深さは15mあり、魚はのびのび泳ぐことができます。赤潮が発生しても魚は深いところに逃げられるので、被害も受けづらいというメリットがあります。
三谷さんのイケスでは12,000匹のオリーブマダイを育てており、注文にあわせて1回に500~1,000匹を水揚げして出荷をしています(2020年)。 -
波がおだやかな朝凪に水揚げ
10月になるとオリーブマダイの出荷がスタート。
秋から冬にかけて瀬戸内海では北西から風が吹き、午後には波が高くなることが多くなります。そのため、水揚げは波が比較的穏やかな明け方の「朝凪(あさなぎ)」に行います。
空が白く明けゆくころ、漁船は相生漁港を出発しました。 -
漁船をイケスの横につけて、縦横12m、深さ15mのイケスに大きな網を下ろしていきます。
オリーブマダイを網の中に集めて、船のそばに引き寄せます。人がすっぽりと入るほどの大きなすくい網でオリーブマダイをすくい、漁船に移していきます。何十回も網ですくう作業は大変な重労働です。 -
水揚げが終わるとすぐに相生漁港に戻り、大きさで選別。輸送中にオリーブマダイに傷がつかないよう、専用のケースに1匹ずつ入れて、活きたままトラックに積み込み出荷します。
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オリーブマダイは香川県内のスーパーマーケットで販売しています。
「ブランドロゴのシールが目印なので、見かけたら手にとってみてくださいね」 -
コラーゲン1.4倍のプリプリした食感
「オリーブマダイのおいしさを味わうなら、刺し身が一番。梶さん、ぜひ試食してみてください」と三谷さん。刺し身のオリーブマダイはきれいなピンク色の血合いと、透明感のある白身が特徴です。三谷さんにすすめられて、梶さんは刺し身を一口。
「これは、おいしい。身がやわらかいですね。魚の臭みもまったくありません。」 -
「オリーブマダイは普通のマダイに比べてコラーゲンの量が1.4倍で、そのコラーゲンがぷりぷりなのに筋が少なくて柔らかい食感を生み出しています。脂はのっているのに、あっさりとした味わいなんですよ。」
「これがオリーブの葉の効果なんですね。おいしいものを食べてお肌にもいいって最高ですね。」と梶さんもオリーブの葉の効果に頷いていました。
全国のみなさんにも香川県のブランド魚「オリーブマダイ」のおいしさを届けたいと三谷さんは思いを語ってくれました。