LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

第71回 地魚(冬編)

地域からニッポンを元気にする、よしもとの一大プロジェクト“あなたの町に住みますプロジェクト”。香川の住みます芸人“梶剛”さんが県産品をレポートしてくれます。

リポーター

うどんのように太く長く愛される芸人を目指しています!これからの梶剛に乞うご期待!

梶 剛(かじつよし)

NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ

活動をチェック!

瀬戸内海は「天然のいけす」といわれるほど魚の種類が豊富で、季節ごとに水揚げされる魚種が変わることが特徴です。
高松市中央卸売市場で香川県の初冬の地魚を見学しました。

  • 漁港と消費地が近い都市型の市場

    高松市中央卸売市場は香川県の水産物の流通拠点として昭和40年代に開設されました。
    水揚げ漁港が目の前にあり、官公庁や商店街にも近い、産地と消費地が密接した「都市型の市場」。地元の飲食店やスーパーにも卸していて、市民とのつながりが深い市場だと香川県魚市場株式会社の山本さんが教えてくれました。

  • セリ特有の「符丁」と「呼値」で取り引き

    高松市中央卸売市場は、セリ人が声をかけたら、高値を提示した人が落札する「セリ下げ方式」を採用しています。セリ下げ方式は日本でも4、5カ所の市場でしか継続されていません。

    セリでは指の動きで価格を示す「符丁(ふちょう)」が用いられています。符丁は地域によって指の折り方が違うのだとか。
    また、価格は「呼値(よびね)」というせり特有の呼び方をします。
    「“ヤマ”といえば35のこと、“テンジン”は25のこと、“アケ”といえば15のこと」だと山本さん。これは市場内の価格を一般の人に知られないようにするため。

  • 最近では符丁を使わなくなった市場が増える中、高松市中央卸売市場では昔ながらの様式を継続しています。
    「市場を見学するときに、ぜひ符丁と呼値に注目してみてください」

  • 活気あふれるセリ

    初冬の市場はまだ暗い朝5時半に始まり、威勢のよい声が場内に響きます。
    「さきほど教えてもらった符丁や呼値をしていますね。聞いても素人には分からないですね」とセリのスピード感に圧倒される梶さん。

  • 並べた箱の前をセリ人が移動しながら競ることを「立ち売り」といいます。また、水槽の中にある生きた魚を競ることを「生けもの」といいます。県内各地からトラックで入ってきて降ろしながら売る「トラック競り」もあります。

  • 初冬に旬を迎える「マルハギ」「ベイカ」「カキ」

    香川県魚市場株式会社 鮮魚部の柴野さんが初冬に旬を迎える3つの地魚を教えてくれました。
    1つ目は「マルハギ(※標準和名 カワハギ)」です。
    マルハギは冬になると肝がたっぷり入り、おいしさが増します。刺し身を肝しょう油で食べたり、煮付けにしたり、お味噌汁に入れてたりしてもよいそう。

  • 2つ目は「ベイカ」です。
    煮付けが定番ですが、旬ならではの柔らかい身は天ぷらやバター炒めにも向いています。
    冬は漁獲量が多く価格が安くなるので、ぜひ試してほしいと柴野さん。

  • 3つ目は「カキ」です。
    香川県では複数の湾で養殖されていますが、本日紹介するのは志度湾のカキ。「海のミルク」といわれる濃厚な味と、火入れしても縮まないぷっくりとした大きな身が特徴。フライはもちろん、バター焼きにしても食べごたえがあります。

  • 季節ごとに変わる瀬戸内海の魚種

    春はサワラ、夏はマナガツオ、秋はカキ、冬はマルハギなど季節それぞれに代表する魚があることが瀬戸内海の特徴だと柴野さんはいいます。
    瀬戸内海の魚は小ぶりな魚が多いので、料理がしづらい、食べるのが面倒という理由から魚を食べる家庭が減っていると聞きます。需要が減ると漁獲量も減ってしまうのではと梶さんは心配そう。
    「季節ごとにたくさんの旬の魚があるので、ぜひ味わってもらいですね」と柴野さんも力を込めていました。

  • 初冬の地魚を味わいに

    セリで見た魚を味わいに、梶さんは「いただきさん海鮮食堂」を訪れました。
    「いただきさん海鮮食堂」は市場から魚を直接仕入れているため、旬の魚を味わうことができます。

  • 1品目は「マルハギの煮付け」。
    市場でもまれな大きなサイズのマルハギは、肉厚でキモもたっぷり。
    梶さんは一口食べて「めちゃくちゃうまい、身が口の中でほどける。キモも溶けますね」
    「瀬戸内の新鮮なマルハギは身離れがいいんですよ」
    身が骨から外れやすいのは新鮮な証なのだと山本さんが教えてくれました。

  • 2品目は「ベイカの天ぷら」。
    初冬の時期はベイカの身がやわらかいため、目や墨袋、骨を取り除いて丸ごと天ぷらにして食べられます。
    「これもうまい。身がやわらかくて味が濃い」と梶さんは気に入った様子。色んな部位を丸ごと食べるから味が濃く感じられるのだとか。

  • 3品目は「カキのバター炒め」。
    香川県産のカキは加熱用が主流で、むき身で出荷されます。生食用のカキは殺菌のために何度も洗浄されます。洗浄のときに実はカキのうま味も流出しているのです。一方、加熱用のカキは生食用ほどは洗浄しないため、うま味を身に蓄えたまま。

  • 身が大きく、つまっている香川県産のカキは熱を入れても縮みません。バター炒めにしても食べごたえがあるのは、香川県産のカキの魅力です。
    「バターとしょう油でしっかり味付けされているけど、それ以上にカキのうま味がしっかりしている」と梶さんはカキを堪能。
    初冬の地魚料理に梶さんは大満足でした。

  • 「市場を見学してみて、地元の海で獲れた魚がすぐに消費者に届くことがおいしさの秘訣なんですね」と、瀬戸内海の恵みとそれを支える高松中央卸売市場の皆さんに感謝する梶さんでした。

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