LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

第72回 まんば

地域からニッポンを元気にする、よしもとの一大プロジェクト“あなたの町に住みますプロジェクト”。香川の住みます芸人“梶剛”さんが県産品をレポートしてくれます。

リポーター

うどんのように太く長く愛される芸人を目指しています!これからの梶剛に乞うご期待!

梶 剛(かじつよし)

NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ

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香川県の郷土料理「まんばのけんちゃん」で知られる野菜「まんば」。香川県西部では「ひゃっか」とも呼ばれてます。寒くなるほどおいしさが増すまんば。梶さんは収穫期のまんばの畑を訪れました。

  • 一枚ずつ葉をむいて収穫

    香川県高松市郊外のまんば畑は12月に深い緑色の葉を大きく広げていました。
    「まんばは10月末ぐらいから収穫するのですが、霜がおりて寒くなると、葉が緑から紫がかって、おいしさが増すんですよ」と生産者の株式会社azemichiの二川さんが教えてくれました。

  • まんばは、大きくなった外側の葉の根元をパキッと折り、葉を一枚ずつ手でもいで収穫します。二川さんをまねて梶さんも収穫にチャレンジ。
    「レタスのように一気に採ってしまうのかと思っていましたが、一枚ずつ手で採るんですね」と梶さん。

  • 外側の葉を採ると内側から次々に新しい葉が出て育ちます。
    採っても採っても葉が出てくることから、「まんば」の漢字は数字の「万」に葉っぱの「葉」と書きます。
    香川県の西部では「ひゃっか」と呼ばれています。「ひゃっか」は漢字で書くと数字の「百」に「華(花)」。まんばと同様に葉の枚数が多いことが名前の由来です。
    10月末から2月末まで収穫することができます。

  • しっかりした軸は元気に育った証拠

    葉の軸の厚みが1cmぐらい、幅が5cmぐらいある葉が美味しいまんばの特徴。
    「軸がしっかりしているまんばは、ストレスなく育っている証しです。また紫色が濃くなるほど甘みがあります」と二川さん。美味しいまんばを育てるために、二川さんは栽培方法を工夫しています。
    1つは「土作り」。土が酸性にならないようにアルカリ性の資材を入れて、PHを中性に保つように調整しています。
    もう1つは「寒さ対策」。土に黒いビニールのマルチフィルムを敷いて、土の温度を保ちながら保湿もしています。根を保温することで寒い冬にも、ぐんぐん育ちまます。
    「黒いビニールは雑草を防ぐ対策だと思っていましたが、保温と保湿のためだったんですね」
    美味しいまんばは手間をかけて育てられていることに梶さんは感心していました。

  • 香川の郷土野菜「まんば」を守りたい

    二川さんがまんばの栽培を始めたのは2019年。まんばを栽培する先輩農家は70代が多く、その子ども世代は農業を継いでいませんでした。そのため、10年先にまんばを生産する人がいなくなる恐れがありました。香川県では学校給食にまんばの郷土料理が出されていますが、当時は学校給食の分も足りないほど生産量が減っていたそうです。
    「栽培技術を教えるから、まんばを作らないか」と相談があり、二川さんたち若い農家は先輩農家にコツを教わりながら、栽培に挑戦しました。収穫したまんばは香川県内のスーパーや学校給食に出荷されています。
    まさに、まんばは「地産地消」の香川の野菜なのです。

  • 炒めものや鍋料理にもおすすめ

    「うちで採れたまんばを味わってみてください」と二川さんは「まんばのけんちゃん」を用意してくれました。
    「まんばのけんちゃん」は、まんばに豆腐と油揚げを加えてしょう油で煮付けた香川県の郷土料理で、家庭それぞれの味わいがあります。
    「ホッとする味ですね。やさしい味付けで、まんばの味がしっかり感じられます。シャキシャキした食感も残っていますね」と梶さん。作ってから時間がたっても、歯ごたえが残っていることがまんばの特徴です。

  • 「自分で調理しようとすると、アク抜きが面倒に感じてしまうんですよ」という梶さんに二川さんは、「現在栽培されているまんばは、えぐ味が少ない品種のため、アク抜きしなくても調理できるんですよ」と教えてくれました。
    二川さんおすすめの「まんばのベーコン炒め」を梶さんも作ってみました。

  • 子どもも食べやすい「まんばのベーコン炒め」

    まんばは2分ほど下ゆでしておきます。下ゆですると余分な紫色の色素が流れて、料理の色がきれいに仕上がります。
    ・フライパンでベーコンを炒めます。
    ・ごま油を足して、香りを立たせます。
    ・下ゆでして、ざく切りにしたまんばをフライパンに入れ、油がなじむまで炒めます。
    ・お好みでちりめんを加えると、カリカリとした食感がアクセントになります。
    ・最後に塩こしょうで味を整えて完成。

  • 梶さんはできたてを試食。
    「めちゃくちゃうまい。ごはんと一緒にかきこみたいですね。子どもも大好きな味」と大満足。
    味を濃いめにすると、お酒やビールにもよく合うそう。
    「下ゆでしたまんばは、白菜の代わりに鍋料理に入れてもおいしく食べられます。ぜひ色んな食べ方を試してほしいですね」と二川さん。

  • まんばは、香川県の伝統野菜として「さぬき讃ベジタブル」(※)に認定されています。
    これからも地元の皆さんに食べてもらえるよう、まんばを作り続けていきたいと二川さんが思いを語ってくれました。
    郷土の野菜の新しい魅力を発見した梶さんでした。

    ※「さぬき讃ベジタブル」
    香川県及びかがわ農産物流通消費推進協議会では、旬や品質等にこだわって作った野菜を「さぬき讃ベジタブル」として一体的なPRに取り組んでいます。

    まんば・ひゃっかの下茹で方法 新しいタブで開く
    (「かがわの食」Happyプロジェクトサイト)

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