LOVEさぬきさんリポート LOVE SANUKISAN REPORT

第76回 オリーブオイル

地域からニッポンを元気にする、よしもとの一大プロジェクト“あなたの町に住みますプロジェクト”。香川の住みます芸人“梶剛”さんが県産品をレポートしてくれます。

リポーター

うどんのように太く長く愛される芸人を目指しています!これからの梶剛に乞うご期待!

梶 剛(かじつよし)

NSC大阪校22期生
2005年ムーディ勝山と“勝山梶”結成
2008年ABCお笑い新人グランプリ新人賞
2010年ピン芸人“梶剛”として活動
出身地:香川県三豊市 1981年3月28日生まれ

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香川県小豆島は日本のオリーブ栽培の発祥の地。1907年(明治40年)に香川県農事試験場(当時)がオリーブの苗木を植栽したことがはじまりです。現在は県内各地にオリーブ農園が広がっています。
梶さんは、香川県多度津町でオリーブオイルを製造する株式会社蒼のダイヤを訪ねました。

  • 日当たり・風通し・水はけがオリーブ栽培の条件

    瀬戸内海まで見渡せる景色のよいオリーブ農園の中に“蒼のダイヤ”はあります。
    「ここは日当たり、風通し、水はけがよくてオリーブ栽培に適した土地なんです」と“蒼のダイヤ”の社長 細川勝(ほそかわまさる)さんが教えてくれました。

  • オリーブは風によって花粉が運ばれる風媒(ふうばい)で受粉するため、風通しはとくに大切。様々な品種の中でもミッションという品種は自家受粉が弱いため、ミッションの他にルッカ、ネバディロ ブランコ、ピクアルの品種を植えています。

  • デラウェア栽培からオリーブ栽培に転換

    この付近では元々「赤いダイヤ」と呼ばれたデラウェアの栽培が盛んでした。ところが、時代とともに消費者の好みが大粒のブドウに変わり、デラウェアを栽培する人が少なくなって、荒れ地化が進んでいました。「荒れ地を何とかして地域をよくしたい」と細川さんと地元の農家や農業委員会が立ち上がり、オリーブ農園へと転換。現在、約50軒の農家が“蒼のダイヤ”と一緒にオリーブ栽培を行っています。
    「多度津のオリーブ栽培にはそんな経緯があったんですね」と梶さんも感じ入っていました。

  • オリーブの実の収穫の見極め

    オリーブの実の熟度は、緑色の0度から黒く完熟した7度までの8段階があります。
    オリーブオイルは世界的に「辛味」「苦味」「香り」の基準で官能評価されますが、熟度が若い緑色の実の方が、辛味、苦味が多くあって評価が高くなる傾向があります。そのため、“蒼のダイヤ”では黒く熟する前の、1度から5度までの実を収穫しています。熟度1の緑色の実は、油分が少ないため採油の量は少なくなりますが、量よりも味を大切にしながら、バランスよく収穫しています。

  • オリーブの実の収穫を体験

    梶さんはオリーブの実の収穫を体験。
    オリーブの実を4~5粒そっと握って軽く引っ張ると、簡単に採ることができます。
    「大事に扱わないと実が傷んでしまうんです」と細川さん。
    木には数え切れないほどの実がなっています。高いところにあるオリーブは段に上って収穫するのだそう。
    「これをぜんぶ手で採るのは大変ですね」と梶さんは収穫の苦労を実感していました。

  • 香川県独自のオリーブオイルの品質表示

    香川県にはオリーブオイルの独自の品質基準があります。
    国際オリーブ理事会(IOC)が定めたエキストラヴァージンオリーブオイルの基準に準じた「スタンダード」と、さらに高品質の「プレミアム」があります。

  • 品質評価は、オイルの鮮度を示す「化学検査」とおいしさを評価する「官能評価」の両方の基準を満たさないとなりません。
    蒼のダイヤのオリーブオイルは、毎年すべての基準をクリアし、プレミアムの品質を維持してします。

    香川県のオリーブオイルの品質表示の詳細 新しいタブで開く

  • オリーブオイルの製造工程

    10月初旬からオリーブの実の収穫が始まり、“蒼のダイヤ”には農家から収穫した実が毎日届きます。10kgの実が入ったコンテナが、多いときには100~150箱も集まるのだそう。
    届いた実は加工場ですばやくオリーブオイルに加工します。鮮度がよいうちに加工することで、高品質なオリーブオイルが生まれるのです。

  • 加工場では、まず「ホッパー」という機械で実を軽く水洗いして、ホコリを落とします。
    次に「クラッシャー」という機械で実を細かく切り刻んでいきます。
    次に「マラキサー」という撹拌機(かくはんき)でゆっくり撹拌して、オリーブオイルの小さな粒同士をくっつけて大きくします。これによって、オリーブオイルが採り出しやすくなります。

  • 最後に「デカンター」という遠心分離機で高速回転することで、固形分と水とオリーブオイルを分離します。デカンターから伸びる細い管から、採油したてのオリーブオイルが出てきました。

  • 「きれいな色ですね」と梶さん。採油したてのオリーブオイルは明るいグリーンで、少し濁りがあります。
    このオリーブオイルをろ過機でろ過して不純物を取り除き、保管タンクで適正温度で保管します。注文にあわせて保管タンクからボトルに詰めて出荷しています。
    オリーブオイルを採油した後の果実は、乾燥させて香川県特産のオリーブ牛等のえさに活用されています。
    「オリーブは最後まで循環しているんですね」と梶さんは感心していました。

  • 料理を格上げする絶品オリーブオイル

    「蒼のダイヤのオリーブオイルをぜひ味わってみてください」と細川さんにすすめられて、梶さんはさっそく試食してみました。
    まずはシンプルにパンにかけて。たっぷりとかけることがポイントです。

  • 「むちゃくちゃうまい。パンの味に負けない、オリーブオイルの香りやうまみがすごい」
    辛味がありながらも爽やかな風味がジュワッと口の中に広がります。

  • 続いて、細川さんおすすめの「ホットレタスのオリーブオイルかけ」を試食。
    レタスを電子レンジで温めて、オリーブオイルをかけるだけ。少ししんなりしたレタスにオリーブオイルがよくなじみます。
    そのおいしさに、梶さんも笑みがこぼれます。

  • 「レタスとオリーブオイルの両方の味が引き立ちますね。オリーブオイルの味はしっかりしているんだけど、他の食材の味の邪魔はしない」と梶さん。
    「オリーブオイルは非常にまろやかで、他の食材を一味もふた味もよくしてくれるんですよ」と細川さんも笑顔で応えていました。

  • オリーブの実の収穫からオリーブオイルの製造までを見学した梶さん。
    オリーブ栽培に適した土地で栽培していること。
    それを農家さんが大切に一粒ずつ収穫。
    そして収穫したオリーブの実を新鮮なうちに加工。
    自然の恵みと皆さんの思いで、おいしいオリーブオイルが生まれていることに感動した梶さんでした。

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