ポイント&基礎情報

香川県のオリーブ基礎情報

日本のなかでは温暖で雨が少なく、オリーブ栽培に向き、国産オリーブ果実の96%以上を生み出す香川県のオリーブの概要をご紹介します。

香川県のオリーブ果実の生産量の推移(t)

平成18年~28年の10年で、100tから350tへと約3.25倍増していることがわかる折れ線グラフ

香川県のオリーブの栽培面積の推移(ha)

平成18年~28年の10年で、50haから200haへと約3.75倍増していることがわかる折れ線グラフ
オリーブオイルの健康効果に注目が集まり始め、さらに2003年に構造改革特区一号に「小豆島内海町オリーブ振興特区」が認定されたことで、企業がオリーブ栽培に参入できるようになり、一気に面積と生産量が増えていきました。さらに小豆島中心に行われていたオリーブ栽培も、近年は香川県本土でも増え、ますます面積が増加しています。 参照:H26年産特産果樹生産動態等調査結果(農林水産省)

栽培主要品種

オリーブの品種は、世界でおよそ1600種以上あるとされています。
香川県では、そのうちおよそ60品種・系統が導入され、内4品種が主に一般に栽培されているものです。
いずれも用途から果実加工(テーブルオリーブス)用、油用、兼用種に分類できます。

Misson ミッション [油用・果実加工用]

アメリカのカリフォルニア州で発見されたスペイン系品種。我が国へは明治40年に農商務省指定試験開始時に導入し、明治41年に植栽。国内オリーブ栽培の果実加工用、油用兼用の最主要品種。果実の平均重量は2.5~3.0g、含油率15~19%。葉裏は白い。

Lucca ルッカ [主に油用]

油用品種。昭和8年にアメリカから導入された。含油率は約17%。果実の平均重量は2.0~2.5g。1本でもある程度着果する。炭疽病にも強く、油分含量が多く、品質も良い。生育が早く高樹高型。葉裏は白く、本葉になるとねじれが生じる。

Manzanillo マンザニロ [主に果実加工用]

スペイン原産の果実加工用品種であり、世界中でも多く栽培されている。含油率は9~14%と低い。栽培は容易であり、収量が安定し、果実が大きく、加工用として人気が高い。果実の平均重量は3.0~3.5g。葉は小ぶりで縁が外側に巻き込まれている。

Nevadillo Blanco ネバディロ ブランコ [主に受粉用]

スペイン原産の油用品種。含油率は17%程度。果実が柔らかすぎるため加工しにくい。花粉が非常に多いので受粉樹としての価値が高い。観賞用樹として最も苗木生産量が多い。果実の平均重量は2.0~2.5g。葉は比較的薄く、葉裏も緑色である。

出典および参照
香川県農業試験場 小豆オリーブ研究所 Webサイト 香川県小豆島町オリーブ課 「小豆島オリーブ検定 公式テキスト」

オリーブを楽しむおすすめ時期

5月下旬~6月上旬
オリーブの開花
10月上旬~
新漬け販売開始
10月中旬~1月中旬
オイル販売開始

110年の歩み

香川県のオリーブの歴史は、1908(明治41)年に県が試験栽培を行ったことに始まります。いくつかの県で試験を行いましたが、栽培に成功したのは小豆島だけ。しかし、日本でオリーブが注目され始めたのはここ最近の話で、110年の歩みはまさに紆余曲折。世紀を超えて歴史を重ね、高い質の商品を生み出すことができているのも、先人の努力の賜物です。その背景をみていきましょう。

【明治時代】

1908年
農商務省が香川・三重・鹿児島の3県でそれぞれ1.2ヘクタールの規模で試験栽培を実施。
1910年
香川県(小豆島)においてオリーブが開花・結実。

【大正時代】

1913年
小豆島西村にオリーブ果実乾燥場・磨砕器・採油機を設置。
大正年間
国産オリーブオイルを髪油として発売。国産グリーンオリーブスも製造販売。

【昭和時代】

1942年
小豆島池田の畑作試験地にオリーブ採油施設及び試験園地が完成。
1950年
オリーブオイルの価格暴騰し、栽培熱が高まる。
1954年
オリーブを県花に選定。
1955年
化粧用オリーブオイルのブームが始まる。
1959年
オリーブ(農産物)の輸入自由化。
1964年
県内のオリーブ栽培面積・果実生産量ともにピークに。
1965年
続く気象災害と安価な輸入オリーブオイルの市場参入により、栽培面積・果実生産量の減退が始まる。
1966年
オリーブを県木に選定。
1971年
「香川県オリーブ生産組合」が設立。
1985年
輸入オリーブオイルが増加しはじめる。
1988年
東洋オリーブ(株)が国内初の遠心分離式オリーブオイル採油装置を導入。
香川県オリーブ公園開園。

【平成時代】

1992年
第二次オリーブオイルブーム。
1996年
食品製造・販売会社による「小豆島オリーブ協会」発足。
1998年
(株)オリーブ園が、小型採油機を国内初導入。
2002年
カタドール(鑑定士)育成事業開始。
2003年
構造改革特区第一号に「小豆島内海町オリーブ振興特区」が認定される。
2007年
「オリーブハマチ」が誕生。
2008年
香川県オリーブ品評会オイル部門・園地部門開始。 小豆島町役場にオリーブ課設置。
2011年
農業試験場小豆分場が小豆オリーブ研究所に名称変更 「オリーブ牛」が誕生。
2014年
「かがわオリーブオイル品質表示制度」が始まる。
2015年
「オリーブ夢豚」「オリーブ豚」が誕生。 「小豆島オリーブオイル」が地域団体商標として登録される。

オリーブオイルの3つのポイント

健康、美容、美味!のスグレもの。

オリーブの良さを伝える情報が増え、オリーブ関連商品も市場に増えていくにつれて、「オリーブは何となくいいもの」という認識が拡がりつつあります。
ぜひご参考に、オリーブを日常生活にご活用ください。

POINT 1 一粒ずつ手で収穫

香川県産のオリーブは、一粒ずつ手で収穫しています。そのため、熟れ具合や傷、病気の有無を一粒ずつ目視で確認できるので、選りすぐりだけを摘み取ることができます。また、収穫後すぐに採油することができる設備が整っています。そのため、生産者が想い描く高品質なオイルができあがります。

POINT 2 健康と美容

バージンオリーブオイルは、いわゆる化学的な工程ではなく、オリーブ果実から油を採ったそのままのオイル。そのため健康や美容に良いポリフェノールやビタミンEやβカロテンを豊富に含んでいます。また、悪玉(LDL)コレステロールを抑制する効果があると言われているオレイン酸も多く含んでいます。

POINT 3 お料理にも幅広く

エキストラバージンオリーブオイルは商品ごとに味も香りも違います。風味の幅は広く、例えば、リンゴのように爽やかな甘さが広がるもの、ナッツのように濃厚でほろ苦いもの、胡椒のように辛いものなど…。調味料の一つとしてオリーブオイルを選び、最高のマッチングが実現した時の美味しさは格別です。